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しまもと町民の会

道徳の教科書が決まりました(2017/07/27号)

島本町民のみなさん、お暑い中いかがお過ごしでしょうか。小学生のお子さんをお持ちの保護者の方は、学校も夏休みに入り、お子さんと過ごす時間も増えたことでしょう。
周りでも、「嬉しい」やら、「大変」やらという声が聞こえてきています。

さて、平成30年より、小中学校において、道徳が教科化されることは、ブログの前号にてお伝えしましたが、先日の平成29年第8回教育委員会定例会において、いよいよ教科書(教科用図書)の選定が行われました。

今回はそちらをレポートします。


(1)小学校道徳の教科用図書選定と、それに関する具申意見

7月20日に開催された、平成29年第8回教育委員会定例会にて、光文書院の「小学道徳 ゆたかなこころ」が選定されました。

選定のポイントとしては以下の通りです。(伝聞によるため、多少の差異あり)
  • 1時限分の内容が、問い・まとめ・発展で構成され、把握しやすく、拡張性も持たせている
  • 一定の価値観を押し付けるのではなく、性別、人種、障がい等、様々な立場で多角的な視点をもつことができる。
  • いじめ・人権問題・情報モラル等、現代の社会問題をコラムとして扱っている。
  • キャラクターによる主体的、かつ、対話的に話が展開され、理解しやすい。
  • 題材の前に、オリエンテーションページがあり、授業を行う上での視点・目的が明確に示されている。

そして、以下は会議にて提出された、三島郡地区小中学校教科用図書選定委員会の具申意見です。


◇選定教科用図書◇ ※候補に残ったもの

■光文書院「小学道徳 ゆたかなこころ」

各学年冒頭のページに主体的、対話的な深い学びになるようにオリエンテーションが掲載され、言語活動や、考えを書く活動の充実に結び付くように工夫されている。

各題材は日常生活から文学的作品まで幅広く採用され、生き方について考えるものになっており、性別、年齢、国籍や障がいなど多様な課題を取り上げ、様々な考えがあることを前提に共生しようとする態度を養えるように配慮されている。また、いじめや情報モラル等の内容をコラムに掲載し、現代的課題について考える機会を作っている。さらに、各題材の下欄には、学習段階に応じた問いかけが掲載されており、児童が「問い」をもって授業に臨み、多面的に考え話し合う学習の展開を意識した構成になっている。また、各題材の最後には、学習内容を通して思考するポイントや発展的課題が掲載されている。


■日本文教出版「小学道徳 生きる力」

国際理解かかわる題材を多く掲載。オリエンテーションページで見通しを持って取り組めるよう学習内容やねらい、学習方法が説明されている。

本題材とは異なった角度から考える素材を「心のベンチ」と例示し、見方・考え方を広げる工夫がなされている。多くのキャラクターがともに考え、自ら進めて行きたくなるようなガイドが掲載されている。

カラーバリアフリーを含めたユニバーサルデザインを意識した編集がなされている。題材タイトル部分にあらすじ、題材に入り込むきっかけとなる発問、登場人物の挿し絵等掲載されている。教科書はワイドなAB判。ノートはB5判で題材別に編集されている。

また、友達の考えや保護者が記入する欄が設けられている。


■東京書籍「新しい道徳」

「いじめ問題」を全学年で重要事項として取り上げている。学習の振り返りを設け、児童自ら成長を実感できるように工夫されている。

「問題を見つけて考える」や「いじめのない世界へ」のとびらページでは、題材を扱う前に児童に問題を提起し、主体的に考えられるようになっている。

巻末の評価にも活用できる振り返りページが設けてあり、ワークシートちが別に自分の言葉を残しておくことができるように構成されている。

「出会う・ふれ合う」では、他人とのコミュニケーションを通して、道徳的価値について考えることができるように工夫されている。


◇その他の教科用図書◇ ※候補外のもの

■光村図書「道徳 きみがいちばんひかるとき」

年間を4つのまとまりに分け学習指導要領に示された視点が、まとまりごとに重点をおいて配置されているので、年間を通した計画が立てやすい。全体的にユニバーサルデザインを意識した編集がなされている。大きさは、児童が扱いやすいB5判である。

キャラクターによる問いかけや、学習の手引きによって、主体的に考え、話し合えるようになっている。各学年、最終ページに他教科とのつながりがわかりやすく明記されている。


■学研「みんなの道徳」

情報モラルと現代的な課題への取り組みが重視されている。全学年を通して、「いのちの教育」を最重要テーマに設定している。「深めよう」「つなげよう」「やってみよう」「広げよう」の4種類の学び方ページを設けている。活字は大きく見やすく、大きな挿し絵を使用している。

児童自ら主体的に課題を発見し、解決する資質を伸ばす意図があり、主題名を本文を読む前に記載せずに、「問い」を通してテーマを考えさせる構成になっている。


■教育出版「小学道徳 はばたこう明日へ」

授業の流れを想定した「学びの手引き」が題材ごとに設けられている。内容項目ごとに導入を設け、本時の学習のねらいの明確化を図っている。

役割演技をすることによって、道徳的価値の理解を深めるための活動へと促している。「ジャンプ」を設け、予想される児童の反応なども掲載されている。総じて、具体的な体験を通して道徳的な習慣や行動が身に付けられるように工夫されている。


■学校図書「小学道徳 かがやけみらい」

題材文を掲載した「読み物」と、発問や体験学習を内容とする「活動」の二分冊で構成され、主体的・対話的で深い学びに対応している。

共生する態度を養うことのできる様々な題材が掲載されている。分冊化により多様な授業展開が想定される。「活動」への書き込みにより、学習のつながりや個々の変容を、児童自身が実感しやすいように工夫されている。多様な題材に加え、現代的課題も取り上げられている。


■廣済堂あかつき「みんなで考え、話し合う小学生の道徳」

「善悪の判断、自律、自由と責任」「親切、思いやり」「生命の尊さ」を重点項目とし、意図的に二時間連続して配置されている題材もある。学習の道筋がイメージできるページを冒頭に設定している。

別冊ノートは内容項目ごとに整理する形式になっている。また、家の人との交流や自己評価の欄が設けられている。本とノートとの相乗効果で言語活動の充実を図っている。教科書もノートもワイドなAB判である。挿し絵は、やわらかいタッチが使われている。


(2)レビュー

さて、実際に閲覧に行かれた方は、こちらの具申意見を見てどのように感じられたでしょうか。各社の特徴をよく拾っていますが、私には、「外向き用」の意見だと感じました。

一見すると一様に見える内容も、考察を入れて読んでみると、
  •  善悪を押し付けているもの
  •  日本(人)の優位性を強調するもの
  •  政府の方針を例に出し肯定するもの
  •  東京オリンピックを盛り上げる意図があるもの
等々、恣意的な内容が読み取れるものもありました。

また、自分勝手な行動の例として、「かぼちゃのつる」を題材にする1年生用の図書が多く見られました。
内容は以下の通りです。
  1. 自分勝手につるをのばしているかぼちゃが,他の注意を聞き入れずどんどん伸ばしていく。
  2. すいか畑に入って,すいかに「がまんしろよ」と言って平気な顔でつるを伸ばしていく。
  3. 子犬に踏みつけられてもかぼちゃはつるを伸ばし続けている。
  4. くるまにひかれ,つるが切れてしまい,「いたいいたい」と言って涙をこぼして泣く。

そして、家庭では、なかなか伝えるのが難しい、戦争はじめ、過去の忌まわしい出来事を取り扱うもの、ハンディキャップを持つ人たちへの理解を広げるための手引きとなるものもありました。

内容が偏っていても、大袈裟でも、好ましくないと感じる方は多いと思います。そういう観点では、選定された、光文書院「小学道徳 ゆたかなこころ」は、適切な教材と言えるかもしれません。

会議では、さらに、「道徳」にどのような評価をつけるのか、について話し合われたようです。
結論としては、「評価はつけず、個人の生活態度を長い目で見ていく」、ということになったそうです。
ならば、「道徳の教科化の意図は?」と思われるかもしれませんが、もともと相対評価できるものではないと考えられるので、それはそうでしょう、とも思います。


(3)総括

少しお古い方は、ご存じかもしれませんが、「鉄腕アトム」と言えば、誰もが知っている「正義の味方」ですよね。

ところで、みなさん、「正義の味方」てどんな人をイメージしますか?
そもそも「正義」とは何でしょうか?
悪いことをする人をこらしめる人?
では「悪いこと」とは?悪い人はこらしめられても、当たり前でしょうか?

実は、かの手塚治虫も「善」や「正義」を持つという概念、また、それをどのように表現しようか、とても悩んだと言います。スピンオフ作品には、人間不信になったり、自暴自棄になったアトムも登場しそうになったとか。

善悪の区別は、きっと人類の永遠のテーマかもしれませんが、それを判断する道徳の育成は、少なくとも学校に任せておけば良いものではありませんね。

全ての子どもたちが、情緒豊かで、しっかりと自分に合った道徳を、家庭で、地域で、他者との関わりの中で身に付けていく。そのようであってほしいと願っております。


2017年7月27日 しまもと町民の会 広報部
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