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しまもと町民の会

大薮浄水場を見学して

 島本町民のみなさま、ご無沙汰しております。

 選挙も終わり、すっかり怠けていた・・・ばかりではないのですが更新が遅れました。
申し訳ございません。

6/1から6/7は水道週間

 さて、すっかり若葉も過ぎ、若々しい町長も新しい議員もそろそろ各々の立場に慣れてきたころなのでしょうか。もう6月ですからね。
 そう、6月と言えば水道週間です。・・・少々強引だったかもしれませんが、毎年6月1日から7日は、全国的に水道週間とされているようです。

 今年の標語は「あたりまえ そんな水こそ たからもの

 そうですね、蛇口を捻って、こんな綺麗な水が出る日本、そのあたりまえをありがたく感じなければいけません。
 わが町島本町も、今年の水道週間は力が入っていました。いえ、実は、毎年この時期に合わせて大薮浄水場を開放しており、見学が可能なのです。毎年。

30年に一度の大盛況

 ところが、今回は、広報で特集されたというのが大きく、また、マンホールカードなるものの配布も相乗効果がったのか、連日、見学者が何組も来られ、例年にない盛況ぶりだったようです。
 すごい!広報の力。グッジョブです。
 「過去30年くらいの人数がいっぺんに来ている・・・」と、浄水場の案内のお兄さんも少々お疲れ気味でした。考えてみたら土日もやっている、というより、消防と同じで土日も出勤なんでしょうね。普通に。ありがたい、ありがたい。こういう方達のおかげで島本でも安心して美味しい水がいただけるという事なのです。
 というわけで、行ってまいりましたので、今回は浄水場レポをお送りします。
 大薮浄水場、私、ン十年ぶりです。町内の小学校に通う児童は、4年生の時に、ここで社会見学をします。懐かしいですね~なんとなーく覚えている程度なのですが。

事務所潜入

 予約なしに当日訪問できるということで、「たのもー!!」と、門を入り、階段を上がって建屋に入ると下駄箱です。あれ?けっこう狭い。そのまま2階へ上がります。
 ちょうど降りてくる方が、「意外と見学者、多いんですね。僕、マンホールカードをもらいに来ただけなんですけど・・・」と話されていました。
 広報しまもとの影響ですね、何度も言いますが、グッジョブです。
 制御室?を横切り、奥の小部屋に案内していただき、説明を受けました。手作り感満載の冊子もいただきます。これが、なかなか良い出来で浄水場内の施設がよくわかります。
そのまま転載してこの企画を終わりたいくらいです。

採水のための井戸

 現在、島本町内には深さ40メートルから120メートルの井戸が全部で9本稼働中です。それぞれ、深さも場所も異なるので、水が含まれる地層も異なります。深い井戸ですと、砂や土などで濾過され、日光も入りませんから微生物も住まず、とてもクリアな水なのだそうです。それぞれの井戸には、それぞれの水質、味があるわけですね。
お兄さんは「僕は全く味の違いはわかりませんが」と衝撃発言でしたが、それこそ、こっそりと水に流しておこうというものです。
  

井戸水の処理

 原水槽に集められた各井戸の水は「ばっ気塔」に送られます。井戸水の中の炭酸ガスがコンクリートなど施設を侵食するのを防いだり、口当たりを良くするため、その除去や他の有機塩素系の化合物の除去をここで行います。
 次に、次亜塩素酸ナトリウム(一般で言うところの塩素)と、ポリ塩化アルミニウムを混ぜます。大薮浄水場では次亜塩素酸ナトリウムを、自家製で塩から製造して投入しているそうです。他の市町村の浄水場では塩素ガスをタンクで保管している所もあるのですが、周りに住居が密集している大薮浄水場では、刺激臭や取扱いが困難で危険な要素である塩素ガスという形で保管するのではなく、塩から製造する方が安全である、という判断からだそうです。
 やさしーなぁ。
 ポリ塩化アルミニウムは凝集剤として使われます。昔、お勉強した覚えがかすかにありますが、自然界に存在する微細粒子は一般にマイナスに帯電しているため、互いに反発して凝集しません。そこで、ここにプラス荷電をもつ凝集剤を添加すると荷電が中和され凝集が起こります。急速撹拌機で凝集された後(基礎フロック)、「高速凝集沈殿池」で今度はさっきよりゆっくりとしたスピードが撹拌しながら、基礎フロックが汚れを吸着し、大きなフロックとなって底に溜まっていきます。たまったフロックは公共下水道へ排出され、水は「急速濾過池」へ移り、マンガン砂を使用とした濾過池で濾過されたあと、水質検査です。我が家に水が届くまでは、まだもう少しかかりますね。


濁度の計測

 水道水というのは、水道法で水質管理の基準値が細かく設定されています。ここでは「高感度濁度計」、「残留塩素計」で計測されています。基準値としては、濁度で2度以下、残留塩素は 0.1mg/L以上と決まっているそうです。この値は各家庭へ給水され、蛇口から出た水としての値なので、塩素については配水過程で揮発することを考慮し、浄水場内ではここで0.4mg/L前後になるように、ばっ気後の塩素投入時に計算しているそうです。塩素は殺菌作用を残すため、必ず残っていないといけないものなのだそうです。
 「カルキ臭いなぁ」と普通の人が思うところも、お兄さんたちは「安心してください、入ってますから」と思うのだそうです。
 あ、もちろん、こんな風には仰ってません。「ちゃんと残ってるな、安心安心」なのだそうです。にしても、島本町の濁度、すごいですね。元の井戸の水がきれいだからこそ、工程もシンプルにでき、出来上がった浄水もきれいだし、工程がシンプルという事は、万一事故があったとしても特定しやすく、経費も最低限に抑えられるということで、本当に島本の地下水ってありがたいな、と思います。先ほどの、塩素の量にしても、島本町は皆さんご存知の通り、コンパクトな町です。市街地が集まっているからこそ、効率よく水の配給ができ、それがひいては投入する塩素の濃度にも関係し、投入される塩素濃度が低くても、揮発する前に各家庭に届くということです。
 比較参考までに高槻市の水質検査の結果リンクを貼ります。http://www.city.takatsuki.osaka.jp/kakuka/suido/jousui/19.html


配水池へ

 この後、「浄水池」で企業団水と混ぜられます。皆さんご存知の通り10%を企業団水、90%を島本の地下水になるようにブレンドされるのです。そうして地下の4台のポンプで山の上の配水池に送られます。4基の配水池に送られた後は、環境に配慮し、できる限り自然流下を利用して各家庭に配水され、ようやく我が家のキッチンの蛇口から美味しい水が飲める、という事です。
はぁ、長かった。


効き水

 お兄さんの説明が終わり、初めの小部屋に戻り、お待ちかねの効き水です。企業団水、つまり高度浄水処理水100%の水と浄水池の入る前の島本地下水100%の水を飲み比べるわけです。生まれも育ちも島本の私としては、間違えられません。片方をひとくち・・・・・「あ  もう、これはあっち」もう片方をひとくち・・・「はいはい、でしょうね」というわけで「最初が企業団水、後が島本の水!」と見事に当てました!やったー!!某町長は外したらしいですからね、ふっふーん。ですが、決して企業団の水がまずいというわけではありません。島本の水の方が飲みなれているのはもちろん、まろやかな甘みというか丸みのある味わいなのです。不思議ですね。後で飲んでみたのですが水瀬神宮の離宮の水もやっぱり味が違います。水源となるものによって、様々なのですね、改めて思いました。

やや高めの軟水

 そんな島本の水ですが、皆さんお困りの通り、使ったあとが水垢というか、白くカピカピしたものが残ってしまいます。特に町外から来られた方なんかは「掃除してもしても、どうなってるの!?」と驚きと共に怒りが込み上げてくると聞きました。私なんかは、「はぁ、こんなものなんでしょうね」と育ってきたので、逆によその土地で、「なんでこんなにピカピカなんだろ?トイレの神様が喜んでおられる~」と感心しておりました。
 ですがこれは、神様の与えられた試練でもなんでもなく、島本の水はミネラル分が多く、どうしてもこうなるのだそうです。ミネラル分、つまりマグネシウムやカルシウムなどです。これらの含有濃度をあらわしたものが硬度です。ミネラルウォーターでもおなじみの表記ですね。
 WHO(世界保健機関)では、アメリカ式の表現でいうと、
  軟水0~60mg/L
  中軟水60~120 mg/L
  硬水120~180 mg/L
  非常な硬水180mg/L以上
としています。通常日本の水は軟水と言われていますが、島本の水は硬度が80mg/Lと、やや高めの軟水ということです。「飲むには美味しくてよいけれど、生活用水としては向いてませんね」とお兄さんが断言されていました。軟水の方がお出汁を取るのには向いている、硬水だとエスプレッソを淹れるとカルシウムによって苦味が取り除かれてまろやかになる、など料理との関係も一長一短のようです。
 企業のかたからは、、やはり白いカピカピが邪魔なようで、「どうにかならないのか」と相談もあるそうです。

枯渇を防ぐために

 浄水場の方のお話しでは、町内の井戸は地下水位も低下し、枯渇もあり得ないわけではない、という事でした。枯渇すれば地下水の量は減ります。新たに井戸を掘るには費用も掛かりますが、近年は住宅も増え、適当な場所にまとまった土地を町で獲得すること事態が困難になりつつあるそうです。
 山で浸透した水や水無瀬川流域から浸みだした水が地下水の層を作っているのであれば、山林を守り、保水力のある土地を守る。アスファルトの部分はできるだけ透過性のある舗装に変えるなど、地下水を守る取り組みや意識も重要です。
 私は、今回お話しを聞くまでは、そりゃ島本の地下水100%の水がいいに決まっている、と決め込んでいたところがありました。ですが、無尽蔵にあるわけではない地下水を、私たちは贅沢にも、飲料用だけではなく、トイレの水にもお風呂の水にも洗車の水にも使っています。洗車するのに地下水100%でなければならない理由はありません。また、地下水の枯渇は時間経過や消費によるものだけではなく、地震による断層で水脈の層から取水できなくなる可能性もあります。
 先に書いた山の上の配水池に貯蔵される水の量は、おおよそ、町民の一日分の使用量です。もし、今地震が起こり、地下水が汲み上げられなくなったら・・・。そういう懸念もあり、企業団水の導入がされたという事でした。企業団水の給水を受けるには配管やポンプが必要で、島本が受水できる地点までのそういった費用は企業団側の負担で敷設されました。もし、受水できる体制だけ作って使わずにいると、配管には泥がたまったり腐食が進む場合もあります。いざという時に使おうとしても、その時にはどこかで漏水しているかもしれません。そう考えると、配管は水を通すことで健全な状態を保ち、健全に管理されているかを確認することができます。また、企業団水であれば硬度が低いため、ミネラル分が白く残る現象も改善されることでしょう。島本町の特色は確かにこの美味しい地下水には違いなく、100%地下水にすることでの地域的なブランド力は上がるのかもしれませんが、住民は水に何を求めるのか、改めて考える必要はありそうです。

民営化の可能性

 また、先だって3月7日に水道法改正案が閣議決定されました。これにより、現在は水道事業の検針など民間委託しているものが、実質的に、水道事業に民間企業が参入、民営化可能な内容になります。人口減少や、節水家電製品の普及もあり、島本町に限らず日本全国、水道使用量は減っています。
 一方、ちょうど高度成長期に整備された水道網は、40年の法定耐用期限を迎え、その更新や今後の維持についても費用がかかります。水道サービスはサービスである以上、そう簡単に値上げができるものではありません。人的、運営面などにおいて、支出を減らす努力をどこもしているわけですが、施設の維持、水道管の敷設など、どうしても高額な費用が発生します。
 そこで出てきた案が、コンセッション方式による水道民営化という方法です。簡単に言うと、公設民営化(地方公共団体が水道資産は所有するが、地方公共団体と民間事業者が、事業契約を締結することで、民間事業者が水道経営件を獲得する方法)です。むぅぅぅ・・・そこを民営化されては、まさしくライフラインを民間企業が握るということで、一町民としては非常に複雑な気持ちです。
 大和総研のレポートでは、法人などの大口契約者からの水道料金によって、家庭などの小口契約の経費回収率をカバーしている実態があるという事です。
 http://www.dir.co.jp/consulting/theme_rpt/public_rpt/water/20140422_008457.pdf 
 民営化されれば、所得の再分配といった概念は無くなるでしょうし、大口小口に経費回収率を等しく求めることになれば、一般家庭の水道料金が上がるというのは、想像しやすい事態です。電力と同じで、一企業による値上げ値下げに振り回されるというのも納得できません。マリーアントワネットの「パンが食べれらないならケーキを食べればいいじゃない」的に「お水が飲めないならコーラを飲めばいいじゃない」などという風刺漫画を妄想してしまいます。島本町の水道事業が民営化…ちょっと想像しにくいですかね?でも、そう突拍子もない話、ではないと思うのです。

大阪広域水道企業団

 さて、少し話を変えますが、これまで何度がでている企業団水、何のことかご存知ですか?地方自治法において、複数の地方公共団体が、行政サービスなどの一部を共同で行うことを目的として、設置する組織(特別地方公共団体)を一部事務組合といいます。一部事務組合のうち、地方公営企業の経営に関する事務を共同で行うものを「企業団」といいます。大阪広域水道企業団は、先に述べた水道事業に関する問題に対して運営基盤の強化を目的に、大阪広域水道企業団を核とした府域水道の更なる広域化を推進し、府域一水道を目指しています。現在、大阪府下の42市町村により構成され、水の卸売業として、市町村に水道用水や工業用水を供給し、水道事業を行っています。
 島本町がブレンドしている企業団水とはこの「大阪広域水道企業団」で作っている水です。36,200立方メートル/年を上限として、企業団から島本町に配水され、実質は900立方メートルを一日に受水しています。そして、浄水場で自己水(町内の井戸水)と1:9の割合でブレンドし、島本町から各家庭に供給されています。
 島本町ではあくまで、一部を町が企業団から購入しているだけで、実際、家庭で企業団との関係を感じることはありません。しかし、今年の4月から企業団と大阪府内の4市町村の水道事業が統合され、その市町村では水道水の製造、供給、料金回収などを企業団が行っています。一方、以前から大阪市では水道局の民営化の議論が議会の反対もあって進まずにいたのですが、「今回改正された水道法のコンセッション方式であれば問題点も解消されるため、民営化を目指す」と吉村市長は意欲を見せています。併せて、大阪広域水道企業団に大阪市は加盟を検討していて、企業団にも卸売りだけではなく、府内の水道事業全てを一元化するべきだと主張しています。この図式でいけば、企業団をいずれは民営化に、という事なのでしょうか。そうなると、島本町でも突拍子もない話、とは言えなくなるのではないでしょうか。民営化されるメリット、デメリットを、自分たちで実感しながら考える必要が、そう遠くない未来に待っていそうです。

最後に

 昔懐かしの社会見学気分で出かけた大薮浄水場は、たくさんのことを考えさせてくれました。見学に来られた人たちが、当たり前に使っている水道が当たり前でなくなる時が来る、そう考えた時に、一体、自分たちがこの町で生活していくにはどうやって水と向き合うのか、当たり前である今の間に、一人一人が維持し続けられる方法を考えるきっかけになればいいな、と思いました。
浄水場開放最終日の翌日、何人くらいの見学者があったのかお聞きしました。なんと200人を超える見学者だったそうです。
「多いですね!!」と素直に言うと
「今年は広報だったり職員も頑張ってアピールしましたから」と達成感を感じる声で答えてくださいました。
「ちなみに、例年というか去年はどうでした?」と聞くと、調べてくださったようで
「7人ですね」・・・・・・広報、関係者の皆様、本当にグッジョブです。お兄さんの「過去30年くらいの人数がいっぺんに来ている」という印象も大袈裟ではなかったという事か・・・。
 今年参加できなかった方も、参加された方も、来年もぜひ、参加してみてください。
 私もきっと参加します。来年はもっと勉強して、お兄さんと議論できるように。そして、いろんなところの水を持ち込んでお兄さんと勝負したいと思います。
 帰宅した後、水効き用にもちこんだ水瀬神宮の水で、いつものコーヒーを淹れました。恥ずかしながら、そのまま飲む以外したことがありませんで。だいたい、いつでも汲みに行けるからね。ですが、飲んでびっくり、めちゃくちゃおいしかったのです。好みや利用法によって合う合わないはあるのかもしれませんが、すごいよ、島本の水。
あたりまえ そんな水こそ たからもの」本当にそうですね。

<参考文献>

冊子 島本町上下水道部 大薮浄水場
平成24年 島本町地域水道ビジョン
厚生労働省 水道法の一部を改正する法律案の概要
大阪広域水道企業団ホームページ

2017年6月15日 しまもと町民の会 広報部

【2017年6月25日 追記】

大阪広域水道企業団
の配水口の写真を掲載します。

 

2017年6月25日 しまもと町民の会 広報部
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